自費治療は保険診療と何が違うの?その理由と治療内容の違いについても解説②

コラム

自費治療は保険診療と何が違うの?その理由と治療内容の違いについても解説②

前回は自費治療について、中でも審美歯科治療のセラミック治療と保険診療のCAD Inとの違いについてお話しました。今回は入れ歯とインプラントにフォーカスを当てて解説します。

自費治療とは?

自費治療は診療の際に、保険診療において国で認められた材料以外のものを用いて治療することを指します。医療保険の適応ではないため全額負担になるため、一般的には高額な治療となってしまうのです。そもそも医療保険の適応となる保険診療はあくまでも疾病に対しての適応となるため、「審美」や「予防」の概念が含まれると自費治療になってしまうのです。一方で使える材料や設計に制限がないので、より良い医療の提供が可能となります。

保険診療との違い

保険診療は虫歯や歯周病などの原因があるときに、保険診療として認められている治療法を適用します。前述した通り、疾病に対して適応となります。治療料金は一部負担で済むので、歯1本あたり数千円程度で治療できるのが一般的です。ただ、保険診療の場合、使用できる歯科材料が限定されています。金属やプラスチック(樹脂)を歯の位置や歯質の失った範囲、かみ合わせの状態などによって選びわけます。

保険適応の入れ歯の特徴

以前のコラムで歯を失ってしまったときの対処法についてお話させていただきました。
歯が抜けたらどうする?原因や対処法について解説

その際にもお話させていただきましたが、復習をかねて再度解説します。

入れ歯は両隣りの歯に金属のばねをかけて欠損部を補う方法です。メリットは保険適応内で行うことができます。加えて歯の切削量が少なくて済みます。一方で、ご自身のもともとの歯の幅に加えて床のレジンの幅があるため舌が動かしにくく喋りづらさや食事のしにくさなど異物感を感じる方が多いです。また、毎日ご自身で着脱しての管理が必要であったり、慣れていないと床が乗っている歯肉が痛くなるなどのデメリットもあります。

自費治療を選ぶメリット

自費治療の大きなメリットは、材料や設計に制限がないことです。保険で作成可能な入れ歯は金属のバネとレジンの土台で構成されます。レジンは一般的に言うプラスチックのため、強度の面で厚みを確保しなければなりません。厚みがあると異物感がより一層増してしまいます。一方で自費治療の入れ歯は床の部分に金属を使用できるので、厚みを薄くすることができ異物感を軽減させることができます。また、バネの部分を金属ではなくレジンを用いることもできるので、前歯にバネをかけなければならない際にも目立たなくさせることも可能です。

また自費治療では歯を失ってしまった部位に対して、入れ歯だけでなくインプラント治療も選択が可能となります。インプラント治療は他の歯を削る必要が無いので、負担が少ないことや元の歯と同じように噛むことができます。異物感も入れ歯と比較すると全くありません。

自費治療の義歯の種類と費用相場

自費治療の義歯にも種類は色々あります。また欠損歯数によって人工歯の本数も変わるため、値段に幅が生じます。ここでは自費治療の義歯の代表的な種類と費用相場を解説します。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、バネの部分に金属を使用しないで入れ歯が装着しているのを目立ちにくくする治療方法です。審美的な面で優れていますが、床の部分はレジンを用いているため、異物感は保険の義歯と同等となってしまいます。ノンクラスプデンチャーの費用相場は11万円~20万円です。

金属床義歯

金属床義歯はバネの部分だけでなく床の部分にも金属を使用する義歯です。床に金属を使用し、厚みを薄くすることで入れ歯の欠点の1つである異物感や舌の動かしづらさを軽減することが可能となります。金属の種類に応じて軽さを軽くしたり、厚みをさらに薄くすることも可能ですが、その分費用がかかってしまうので注意が必要です。

金属床義歯の費用相場は14万円~24万円です。

ハイブリッドデンチャー

ハイブリッドデンチャーはバネの部分がノンクラスプデンチャーで、床の部分が金属床と両方のいいとこ取りをした義歯になります。金属床同様に金属の種類によって費用が変わります。ハイブリッドデンチャーの費用相場は15万円~34万円です。

インプラント

インプラントは、歯を失ってしまった箇所の骨に人工歯根を埋入する治療のことです。パーツが人工歯根のインプラント部と被せ物にあたる上部構造の2つに分かれております。インプラント治療は他の歯をほとんど削らずに済み、負担もほとんどかからないメリットがあります。一方で骨が無かったり、全身疾患があったりする場合はインプラント治療ができないことがあるので注意が必要です。インプラントの費用相場は45万円~55万円です。高度な技術を求められることから費用相場は高めになっています。また、骨を足す処置を行う場合、さらに費用がかかります。

まとめ

自費治療の義歯は、保険の義歯の欠点である金属のバネを使用する審美的要素やレジン床の厚みによる異物感を改善することができる治療です。インプラント治療は現状、欠損部補綴を行うにあたって他の歯を傷つけたり負担をかけたりしない最良の方法となります。自費治療なので数万円~十数万円の費用がかかりますが、現状保険の入れ歯を使用していたり歯を失った欠損部を改善したい人にはおすすめの治療方法です。

この記事の執筆者

櫻井 保慶

ブランデ歯科・矯正歯科クリニック 三郷駅前 院長

<所属学会・スタディグループ>
日本歯周病学会 認定医
日本臨床歯周病学会 所属
日本口腔インプラント学会 所属
日本口腔インプラント学会 ケースプレゼンテーション試験合格
日本小児口腔発達学会 口腔機能支援士(ORFS)
日本歯科保存学会 所属

日本口育協会 口育士
日本糖尿病協会 登録歯科医

日本歯科医師会 会員
埼玉県歯科医師会 会員
東埼玉歯科医師 会員
三郷市歯科医師会 会員

わせだっこ中央保育園 委嘱歯科医
認定こども園わせだ(わせだ幼稚園) 委嘱歯科医

ブランデ歯科・矯正歯科クリニック 三郷駅前
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