歯がしみる(知覚過敏)。その原因と対処方は? - ブランデ歯科・矯正クリニック 三郷駅前

コラム

歯がしみる(知覚過敏)。その原因と対処方は?

みなさんこんにちは、ブランデ歯科・矯正歯科クリニック 三郷駅前です。

近頃は気温が高く、冷たい飲み物やアイスなどを召し上がる機会が増えている中、急に歯がしみる症状を感じる方も少なくないと思います。歯がしみる(知覚過敏)症状が気になる場合、原因を突き止めて、適切な処置を受けることが大切です。

「今までなんともなかったのになぜしみるの?」と疑問を感じている人も多いと思います。そこで今回は、歯がしみる原因から対処方法までを詳しく解説します。

●知覚過敏の原因

歯は3層構造になっており、表面からエナメル質という硬い組織、次いで象牙質という軟らかい組織、最深部には歯髄と呼ばれる歯の神経があります。このうち、象牙質には歯髄へ刺激を伝える管が通ってます。通常はエナメル質や歯肉によって隠れている象牙質が露出することで、歯髄へ刺激が加わり歯がしみるのです。これを知覚過敏と言います。それでは知覚過敏が生じる原因についてみてみましょう。

●虫歯

歯がしみる(知覚過敏)の原因の1つは、虫歯です。皆さんも歯がしみるときまずは虫歯ではないか?と疑うことが多いでしょう。虫歯にも種類があり、歯に穴が空いたり歯が欠けたりしてしみるケースと、二次カリエスといって詰め物下で虫歯になってしまうケースがあります。二次カリエスは詰め物の下で虫歯が進行し、歯髄へ近づいてしまいます。虫歯が歯髄に近づくことで歯がしみる症状が生じます。

●歯肉炎

歯肉炎は読んで字のごとく歯肉の炎症です。歯ブラシをして歯肉炎から血が出たりします。前歯はご自身で確認が容易ですが、奥歯は歯ブラシが難しいのに加えてご自身での確認が難しいため歯肉炎だと自覚するのが難しいです。歯肉が炎症を起こすと歯の根元と歯肉の隙間が大きくなるため、普段隠れている歯の根元へ刺激が加わりやすくなります。その結果、歯がしみるのです。

●歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりによって歯に過度な力がかかると、歯と歯肉の境目がくびれてしまうことがあります。この状態をくさび状欠損といいます。くさび状欠損はエナメル質がくさび形(扇形のような形)にくびれてしまった状態で、象牙質が露出するため知覚過敏が生じます。しみる症状がなくても、くさび状欠損がある場合、象牙質はエナメル質よりも軟らかく削れやすいため、放置してしまうとすり減りが大きくなり歯髄にまで達してしまう可能性があるため早めの受診をお勧めします。

●過度なブラッシング圧

歯磨きの際に適切な力で行わないとエナメル質が薄くなってしまったり、歯肉が下がってしまいます。これを摩耗といいます。その結果、象牙質が露出し知覚過敏が生じます。ブラッシング圧が強くなってしまう原因としては、着色や汚れを落とすために必死に磨いてしまったり、短い時間で歯磨きをしようとして力が入ってしまったりと原因は様々です。

●歯がしみる(知覚過敏)の改善方法

知覚過敏は軽度の症状であれば時間経過と共に落ち着くことがあります。しかし、原因不明の状態で放置をしてしまうと症状が強くなってしまったり、治療が長引く可能性があります。まずは歯科医師に相談して、適切な処置を受けることをお勧めします。

●虫歯は「治療」

虫歯は削って除去しないと進行してしまうケースがほとんどです。穴が空いてしまったり欠けてしまった箇所が小さくても中で進行してしまうケースも少なくありません。詰め物の下の二次カリエスもレントゲン撮影を行わないとわからないケースがほとんどです。穴が空いたり欠けてしまっているケースはご自身でも気付きやすいですが、二次カリエスは見た目で判断するのが難しいため、定期的に歯科医院に検診へ行って確認してもらうことが大切です。

●歯肉炎は「クリーニング」

歯肉炎は奥歯ですと自身で気付くのが困難になります。また歯の表面を磨いても、歯と歯の境目(コンタクト)に歯垢(プラーク)が残ってしまうことが多いです。歯垢が蓄積されると唾液の成分と反応して歯石となってしまい、セルフケアでの除去が困難になってしまいます。そうなってしまいますと、歯肉炎由来の知覚過敏が落ち着かず長引いてしまうこととなります。

歯肉炎は放置して悪化すると歯周病へと発展してしまうため、しみる症状がなくても歯肉から出血がある場合は早めに歯科医師に見てもらうことを勧めます。

●歯ぎしりや食いしばりは「マウスピース」や「ボトックス」

人は睡眠時、全員が歯ぎしりや食いしばりを行っていると言われております。しかし、歯ぎしりや食いしばりの力に差があるため、過度な力が加わってしまう方はくさび状欠損になってしまうことが多いです。欠けた部分をプラスチックで詰めて治すこともできますが、力の原因が取り除けていないため、詰めたプラスチックがまた取れてしまいます。睡眠時の歯ぎしりや食いしばりを完全になくすのは不可能なため、対症療法といって負担を軽減させる方法が取られます。よく行われるのがマウスピース(ナイトガード)による治療です。歯の型を取り、ご自身の歯の形に沿った厚さ1.5mmほどのプラスチックを上顎の歯に装着します。これにより歯ぎしりや食いしばりの力を軽減させることができます。マウスピース(ナイトガード)は保険診療適応のため、気になる方はお声掛けください。もう1つはボトックスです。ボツリヌストキシンと呼ばれる複合毒素から毒素を取り除き、タンパク質成分を抽出した医薬品で、筋肉の緊張を緩和させる効果があります。ボトックス療法は咬筋に注射を行い、筋を弛緩させて歯ぎしりや食いしばりによる負荷を軽減することにより効果を得られます。

※「ボトックス」の名称は実際にはアラガン社の商標であり、ボツリヌス菌を使用した薬剤全般はボツリヌストキシン製剤(ボツリヌストキシン注射)といいます。

●過度なブラッシング圧は「歯磨き指導」や「歯ブラシの処方」

歯ブラシの磨く圧が強いと歯肉が下がってしまったりエナメル質がどんどん薄くなり、象牙質が露出し、その結果、知覚過敏が生じます。

着色(ステイン)や歯石をご自身で取ろうとしても限界があります。無理に取ろうとすると磨き過ぎてしまい、知覚過敏につながってしまいます。歯ブラシの圧はご自身では自覚が難しいため、歯科医師や歯科衛生士にチェックしてもらいましょう。

また個々の口腔状態に合った歯ブラシや歯磨剤(歯磨き粉)の選択も重要になってきます。

自身の歯磨きの癖や歯垢(プラーク)が残りやすい箇所、お口の大きさに合った歯ブラシや歯磨剤(歯磨き粉)をチェックしたり処方したりしてもらえるため、歯科医院を受診してみてはいかがでしょうか?

●歯がしみるとき(知覚過敏)は早めに歯科医師に相談しよう

歯がしみるのが気になる場合は、早めに対処することが大切です。歯科医師は原因に応じて適切な対処法を提案してくれます。放置すると症状が強くなり、なかなか治らないといった状況になりかねないため、まずは一度歯科医院に来院していただいて歯科医師に相談しましょう。

この記事の執筆者

櫻井 保慶

ブランデ歯科・矯正歯科クリニック 三郷駅前 院長

<所属学会・スタディグループ>
日本歯周病学会 所属
日本臨床歯周病学会 所属
日本口腔インプラント学会 所属
日本小児口腔発達学会 所属
日本歯科保存学会 所属

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